ですが、私の絵画では「世界のしくみ」の説明にしかならないという焦りを感じていました。そうして、やがて映像やハプニングアートや即興的なパフォーマンスというような、「世界のしくみ」に出会う経験をつくりはじめました。
それでも、まだ「既に存在しており、隠れている構造」を顕在化しているにすぎないような気がしてなりませんでした。
そうして、人工生命に出会いました。
人工生命は、自分の手で、あたらしい未知の構造を作り出すこと、に近しい可能性を持っています。
これが、「音の海」という姿のない人工生命=自律的な装置を科学者の友人達と一緒に作った理由です。
そして、その構造から生み出される制約と対峙し、なおかつ制約からの自由に触れようとする生々しい人間について考えるために、「形と暴力が私をパレードする」というワークインプログレスを制作しています。
2012-2013, Tokyo